個人再生についてよくある質問

Q:個人再生手続きの利用要件を教えてください。

A:個人再生手続きを利用できるのは、1)個人の債務者で、2)将来において継続的に又は反復して収入を得る見込みがあり、3)再生債権の総額が5000万円以下の債権者となっています。

Q:個人再生手続きの最低弁済額を教えてください。

A:100万円に圧縮するというイメージが強いと思いますが、小規模個人再生の場合には、それぞれ算出される金額を下回らないことを求められています。

1)負債総額が「5000万円要件の計算式」で算出して、3000万円以下の場合、基準債権額の1/5。ただし、最低100万円、最高300万円です。また、2)3000万円以上5000万円以下の場合は、「5000万円要件の計算式」で算出した金額の10分の1です。つまり、(再生債権の総額-住宅資金貸付債権の額-別除権付き債権-開始前の罰金)×1/10となっています。

Q:住宅ローン債権者のほかに債権者が居合場合、個人再生手続を利用して住宅資金特別条項を利用することはできるのでしょうか。

A:小規模個人再生においても、手続を利用される要件として、住宅ローン債権以外の債権がマストとして求められているわけではありません。例えば、申立人において、破産手続き開始の原因の生ずるおそれがあることが認められ(民事再生法21条)、小規模個人再生の要件が認められるのであれば、特に認められないとされることはありません。

Q:個人再生手続における非免責債権の扱いについて教えてください。

A:個人再生手続において、非免責債権となるのは、1)再生債務者が悪意で加えた不法行為に基づく損害賠償請求権、2)再生債務者が故意または重過失により加えた人の生命又は身体を害する不法行為に基づく損害賠償請求権、3)再生債務者の扶養義務等にかかる請求権です。

なお、税金や雇用関係の使用人の請求権は、「破産手続」では非免責債権とされています。これに対して、民事再生手続では、これらの債権は一般優先債権として、再生手続によらずに随時弁済されることから(民事再生法122条)、非免責債権とならないのです。
ただし、非免責債権の取り扱いにおいては、再生手続内では、個別権利行使は禁止されますし、債権確定の手続も、他の再生債権と同じ手続で行われます。したがって、債権者は、一般弁済期間内における弁済は、他の再生債権者と同様の割合において弁済を受けうるにとどまるのです。その後、一般弁済期間の経過後に、残額について免責されることはないという意味であり、一般弁済期間経過後も権利行使が可能である、という意味になっています。

Q:住宅ローンとして借り入れた2500万円のうち、500万円を自動車購入に充てている場合、住宅資金特別条項は利用できるのですか。

A:結論からいうと、利用できない可能性があります。個人再生の住宅資金特別条項は、住宅の建設若しくは購入に必要な資金又は住宅の改良に必要な貸付債権である必要があります。

たしかに流用部分の割合の程度にもよるかもしれませんが、500万円もの流用があるということになりますと、再生計画案に住宅資金特別条項を設けることはできません。
なお、買い替えの場合も注意が必要です。なぜなら、再生債務者が不動産を買い替えている事案で、買替前の残ローンを買替後の住宅ローンに一体化させている場合でも、住宅資金特別条項を設けることはできません。これは、過去の居住建物は、民事再生法196条1項の「住宅」に該当しないためと考えられています。

Q:住宅に諸費用ローンの抵当権が設定されている場合は、住宅資金特別条項を設けることはできますか。

A:これは、具体的には、仲介手数料、登記手続費用、登録免許税、印紙代、消費税の支払費用です。

住宅ローンとは別に諸費用もローンを組んでいることが多いことから問題となります。
この諸費用ローンというのは、1)住宅ローンより金利が高く、2)住宅ローン減税の対象ともならず、3)住宅金融支援機構の融資対象でもない点で住宅ローンとは性質が違っているのです。
このような観点からすれば、諸費用ローンが直ちに住宅資金貸付債権にあたるということはできません。
しかし、割合が少ない場合は考慮の余地がないとはいえません。主には、その額と使途を総合的に考慮して、住宅資金特別条項を設けることが許されるか審査しています。

Q:住宅ローンの借り換えをしている場合はどうですか。

A:金利が低下すると、債務者が住宅ローンの借り換えをすることがあります。借り換えがある場合であっても、当初の借り換えが住宅資金貸付債権の要件を備えており、かつ、借り換え後のローンに住宅資金貸付債権の性質を有しない債権等が混ざっていなければ、借り換え後の債権も「住宅資金貸付債権」となります。

Q:マンション管理費・修繕積立金の滞納がある場合、住宅資金特別条項を利用できますか。

A:できません。

滞納管理費については、先取特権が生じます。これは、民事再生法53条1項の「特別の先取特権」であり、民事再生法上「別除権」と扱うべきと解されます。
つまり、マンション管理費等の滞納がある場合は、民事再生法198条1項但し書きの規定によって、住宅資金特別条項を定めることができません。そこで、住宅資金特別条項を利用したい場合は、あらかじめ親族などから援助を受けるなどして、第三者弁済の方法によって、マンション管理費等の滞納を解消した上で申し立てる必要があります。

Q:民事再生の申立てをした場合において、勝手に住宅ローンの弁済を続けても良いのですか。

A:住宅資金貸付債権も再生債権であることに照らすと、開始決定後は、原則として、その弁済が禁止されます(個人再生法85条1項)。しかし、住宅ローンの支払いを止めてしまうと、個人再生手続進行中に期限の利益を失ってしまったり、これに伴って発生する多額の遅延損害金を許可決定確定後に上乗せして支払わざるを得なくなったりする場合があります。

そこで、住宅資金特別条項を利用したい債務者は、民事再生法197条3項の「弁済許可の申立て」をして、裁判所の許可を得て開始決定後も住宅ローンの支払を継続することが大事です。

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